今回は、EXCEL(エクセル)を無料で使う方法や無料版での制限事項について紹介します。
表計算ソフトとして広く利用されているエクセルですが、有料ソフトのため導入を迷っている方も多いかと思います。
本記事では無料で使えるエクセルの種類や機能制限、活用方法を解説します。
エクセルを無料で使える3つの方法
エクセルを無料で使う方法は主に3つあります。それぞれの特徴や利用方法について見ていきます。
1. Excel Online (Excel for the web)を使う
Excel Online(Excel for the web)は、Microsoftが提供するブラウザ上で動作するオンライン版エクセルです。Microsoftアカウントがあれば、誰でも無料で利用できます。
使い方:
- Microsoftアカウントを作成(すでに持っている場合はそのアカウントを使用)
- ブラウザでMicrosoft 365のサイト(office.com)にアクセスしてサインイン
- 画面に表示されるメニューから「Excel」を選択
- 新しいブックを作成するか、既存のファイルを開いて作業開始
Excel Onlineは、基本的なデータ入力や計算、グラフ作成などができますが、高度な機能には制限があります。ただし、リアルタイムでの共同編集が可能で、複数人での同時作業に適しています。また、OneDriveに自動保存されるため、データが消えるリスクも低くなっています。
2. スマートフォン・タブレット用Excelアプリを使う
Microsoft社が提供しているiOS/Android向けのExcelアプリも、基本機能であれば無料で利用できます。外出先でも手軽にエクセルファイルを閲覧・編集できるのが特徴です。
使い方:
- App Store(iOS)またはGoogle Play(Android)から「Microsoft Excel」アプリをダウンロード
- Microsoftアカウントでサインイン
- アプリを起動してファイルを作成または編集
ただし、無料で使えるのは画面サイズが10.1インチ(約W223×H141mm)以下のデバイスのみです。それより大きいタブレットでは閲覧のみ可能で、編集には有料サブスクリプションが必要になります。
3. Microsoft 365の無料体験版を利用する
Microsoft 365 Personalには1ヶ月間の無料体験期間があり、この間はデスクトップ版Excelを含むすべての機能を無料で利用できます。短期間だけエクセルの全機能を使いたい場合に適しています。
使い方:
- Microsoft公式サイトの無料体験ページにアクセス
- 「1ヶ月間無料でお試しください」をクリック
- Microsoftアカウントでサインイン(またはアカウント作成)
- 支払い情報を入力(無料期間中に解約すれば料金は発生しません)
- ソフトウェアをダウンロードしてインストール
無料体験期間が終了すると自動的に有料契約に移行するため、継続して利用しない場合は期限前に必ず解約手続きを行うことが重要です。また、この方法は1アカウントにつき1回のみ利用可能です。
無料版エクセルでできること・できないこと
無料版のエクセルは便利ですが、有料版と比較するといくつかの制限があります。ここでは、主にExcel Online(Excel for the web)を中心に、できることとできないことを解説します。
無料版エクセルでできること
- 基本的なデータ入力と編集:セルへのデータ入力、書式設定、行・列の追加・削除などの基本操作
- 一般的な計算式と関数の使用:SUM、AVERAGE、COUNTなどの基本関数
- 基本的なグラフ作成:棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなどの基本的なグラフ
- テーブル機能:データをテーブル形式で管理し、並べ替えやフィルタリングを行う
- リアルタイムでの共同編集:複数ユーザーが同時に同じファイルを編集できる
- 自動保存:OneDriveにファイルが自動保存される
- コメント機能:セルにコメントを追加してフィードバックを共有
無料版エクセルでできないこと(制限事項)
- マクロ(VBA)の作成・実行:無料版ではマクロ機能は利用できない
- 高度なデータ分析ツール:ピボットテーブルは基本機能のみ、Power Queryなどの高度な分析ツールは使用不可
- 複雑なグラフや図形:一部の高度なグラフ種類や複雑な図形作成機能は制限あり
- 外部データ接続:データベースなどの外部データソースへの接続機能が制限されている
- オフライン作業:基本的にインターネット接続が必要(一部のファイルはオフラインでも編集可能だが機能制限あり)
- 大容量ファイルの処理:大きなデータセットの処理には不向き
- カスタマイズ性:リボンのカスタマイズやアドインの追加などができない
無料版エクセルの活用シーン
無料版エクセルは、以下のようなシーンで特に活用できます。
個人利用での活用
家計簿管理、シフト表作成、旅行の予算計画など、個人的な用途であれば無料版エクセルで十分対応できます。基本的な表作成や計算、簡単なグラフ作成ができるため、日常的なデータ管理に最適です。
学生・教育機関での活用
学生のレポート作成やデータ分析、教育機関での成績管理など、教育目的での利用にも適しています。無料で使えるため、学生の経済的負担を軽減できるのがメリットです。
小規模ビジネスでの活用
小規模な事業や個人事業主のデータ管理、簡易的な売上管理などにも利用できます。ただし、大量のデータ処理や複雑な自動化が必要な場合は有料版の検討が必要です。
共同作業での活用
Excel Onlineの強みであるリアルタイム共同編集機能を活かし、チームでのスケジュール管理やプロジェクト進捗管理などに活用できます。複数人で同時に編集できるため、情報共有がスムーズに行えます。
無料版エクセルの使い方のコツ
無料版エクセルを効果的に活用するためのコツを紹介します。
ファイル管理のコツ
Excel Onlineで作成したファイルは自動的にOneDriveに保存されます。整理しやすいようにフォルダを作成して分類しておくと、後から探しやすくなります。また、重要なファイルは定期的にローカルにダウンロードしてバックアップしておくと安心です。
オフライン作業のコツ
インターネット接続がない環境でも作業したい場合は、事前にファイルをダウンロードしておき、作業後に再度アップロードする方法が有効です。ただし、この場合はデスクトップ版Excelが別途必要になります。
共同編集のコツ
複数人で同時編集する際は、担当範囲を事前に決めておくと作業が効率的です。また、コメント機能を活用して意見やフィードバックを残しておくと、コミュニケーションがスムーズになります。
機能制限を回避するコツ
マクロなどの高度な機能が必要な場合は、無料の互換ソフト(LibreOffice CalcやWPS Spreadsheetなど)を併用するという方法もあります。用途に応じて使い分けることで、無料でも効率的に作業ができます。
無料で使えるエクセル互換ソフト
Microsoft社のエクセル以外にも、無料で使える表計算ソフトがあります。以下は代表的な無料互換ソフトです。
Googleスプレッドシート
Google社が提供するクラウドベースの表計算ソフトです。Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用でき、Excelとの互換性も高いです。リアルタイム共同編集や、Googleの他のサービス(Gmailやドライブ)との連携がスムーズなのが特徴です。
LibreOffice Calc
オープンソースのオフィススイートLibreOfficeに含まれる表計算ソフトです。デスクトップにインストールして使用します。Excelファイルの読み書きに対応しており、マクロ機能も搭載されています。完全無料で使えるため、デスクトップアプリケーションとして利用したい場合におすすめです。
WPS Spreadsheet
WPS Officeに含まれる表計算ソフトで、Excelに似た操作感が特徴です。基本機能は無料で利用でき、Excelファイルとの互換性も高いです。デスクトップ版とモバイル版の両方が提供されており、クラウド連携も可能です。
まとめ:用途に合わせたエクセルの選び方
エクセルを無料で使う方法には、Excel Online(Web版)、モバイルアプリ版、Microsoft 365の無料体験版などがあります。個人利用や小規模なデータ管理であれば、無料版でも十分に対応できる場合が多いです。
ただし、マクロを使用した自動化や複雑なデータ分析、大容量ファイルの処理が必要な場合は、有料版の導入を検討する必要があります。無料版と有料版の違いをしっかり把握し、自分の用途に合ったものを選ぶことが重要です。
また、Microsoft社のエクセルにこだわらなければ、GoogleスプレッドシートやLibreOffice Calcなどの無料互換ソフトも選択肢となります。それぞれのツールの特徴を理解し、最適なものを選んで効率的に作業を進めていくことをおすすめします。
よくある質問
無料版エクセルはずっと無料で使えますか?
Excel Online(Web版)やスマホアプリ版(10.1インチ以下の画面サイズの場合)は、基本機能に限りますが、ずっと無料で使用できます。Microsoft 365の無料体験版は1ヶ月間のみの無料期間となります。
無料版エクセルでもVLOOKUP関数は使えますか?
はい、Excel OnlineでもVLOOKUP関数を含む多くの基本関数は使用できます。ただし、一部の高度な関数や複雑な数式は制限される場合があります。
無料版エクセルのデータは安全ですか?
Excel Onlineのデータは、Microsoftのクラウドサービス(OneDrive)に保存されます。Microsoftのセキュリティ対策が施されていますが、重要なデータはローカルにもバックアップを取っておくことをおすすめします。