今回は、EXCEL(エクセル)をスマホで使いこなす方法をご紹介します。
パソコンでの使用が一般的なエクセルですが、スマホでも多くの機能が利用可能です。
外出先でのデータ確認や急な編集など、スマホでエクセルを使えば作業効率が向上します。
この記事では、スマホ版エクセルのインストール方法から基本操作、便利な活用術を解説します。
スマホでエクセルを使うメリット
スマートフォンでエクセルを使うことには、さまざまなメリットがあります。主なメリットを以下で紹介します。
場所を選ばずにファイルの閲覧・編集ができる
スマホでエクセルを使うことで、パソコンがない場所や持ち運べない場所でもエクセルファイルの閲覧や編集が可能になります。移動中の電車内や外出先の商談中など、さまざまなシーンでエクセルデータにアクセスできるため、業務の効率化につながります。
クラウド連携で作業の継続性が向上
スマホ版エクセルは、OneDriveなどのクラウドストレージとスムーズに連携します。パソコンで作成したファイルをスマホで編集し、その変更内容が自動的にクラウド上で同期されるため、デバイス間での作業の継続性が高まります。また、自動保存機能によりデータ紛失のリスクも軽減できます。
スマホならではの独自機能がある
スマホ版エクセルには、パソコン版にはない独自の機能が搭載されています。例えば、スマホのカメラ機能を使って書類を撮影し、直接PDFに変換して保存できる機能や、PDFへの署名機能などがあります。これらの機能を活用することで、外出先でも効率的に作業を進めることができます。
スマホ版エクセルのインストール方法
スマホでエクセルを使用するには、まずアプリをインストールする必要があります。ここでは、iOSとAndroid向けのインストール方法を解説します。
iOS(iPhone/iPad)の場合
iOSデバイスでは、App Storeから「Microsoft Excel」アプリをダウンロードします。
- App Storeを開きます。
- 検索バーに「Excel」または「Microsoft Excel」と入力します。
- 検索結果から「Microsoft Excel」を選択します。
- 「入手」または「ダウンロード」ボタンをタップしてインストールします。
Android(スマートフォン/タブレット)の場合
Androidデバイスでは、Google Play ストアから「Microsoft Excel」アプリをダウンロードします。
- Google Play ストアを開きます。
- 検索バーに「Excel」または「Microsoft Excel」と入力します。
- 検索結果から「Microsoft Excel」を選択します。
- 「インストール」ボタンをタップしてインストールします。
マイクロソフトアカウントの設定
アプリをインストールしたら、マイクロソフトアカウントでログインする必要があります。アカウントをお持ちでない場合は、新規作成が必要です。
- エクセルアプリを起動します。
- 「サインイン」画面でメールアドレスを入力します。
- パスワードを入力してサインインします。
- 初回起動時は利用規約への同意やプライバシー設定などの手順があるため、画面の指示に従って進めます。
- 「Microsoft 365 Personal 計画の取得」などのサブスクリプション案内が表示された場合は、「閉じる」または「後で試す」を選択すると無料版として利用できます。
スマホ版エクセルの基本操作
ここでは、スマホでエクセルを使う際の基本的な操作方法を紹介します。
ファイルを開く・閲覧する
エクセルアプリでファイルを開く手順は以下の通りです。
- エクセルアプリを起動します。
- ホーム画面に表示される「最近使用したファイル」から開きたいファイルをタップします。
- 表示されていない場合は、「OneDrive」や「この端末」などのストレージオプションから目的のファイルを探します。
- ファイルをタップすると開くことができます。
ファイルを閲覧する際は、ピンチイン・ピンチアウト操作で画面の拡大・縮小ができるため、細かいデータも確認しやすくなっています。また、端末を横向きにすると、より広い表示領域でデータを閲覧できます。
新規ファイルを作成する
新しいエクセルファイルを作成する手順は以下の通りです。
- エクセルアプリのホーム画面で画面下部の「+」アイコンをタップします。
- 「空白のブック」を選択すると、新しいエクセルファイルが作成されます。
- テンプレートを使用したい場合は、提供されているテンプレートから選択することもできます。
データを入力・編集する
スマホでのデータ入力・編集方法は以下の通りです。
- 編集したいセルをタップして選択します。
- キーボードが表示されるので、データを入力します。
- 数式を入力する場合は、「=」から始めて関数や演算子を入力します。
- セル範囲を選択する場合は、セルを長押ししてからドラッグします。
- 入力が完了したら、キーボードの「完了」または「Enter」をタップします。
ファイルを保存する
ファイルの保存方法は以下の通りです。
- 画面上部の「…」または「その他」アイコンをタップします。
- 表示されるメニューから「保存」または「名前を付けて保存」を選択します。
- 保存先(OneDriveやデバイス内のストレージなど)を選択します。
- ファイル名を入力して「保存」をタップします。
OneDriveに保存すると、クラウド上で自動的に同期されるため、パソコンやほかのデバイスからもアクセスできるようになります。
スマホ版エクセルの便利な活用法
スマホでエクセルを使う際の便利な活用法をいくつか紹介します。
クラウド同期によるシームレスな作業
OneDriveなどのクラウドストレージを活用することで、パソコンとスマホ間でシームレスに作業を継続できます。例えば、オフィスでパソコンを使って作業していたファイルを、外出先でスマホから確認・編集し、再びオフィスに戻ってパソコンで作業を続けるといった使い方が可能です。これにより、時間と場所の制約なく効率的に作業を進められます。
カメラ機能を使った書類のデジタル化
スマホ版エクセルでは、カメラ機能を使って紙の書類や表を撮影し、データとして取り込むことができます。例えば、会議で配布された紙の資料をその場でデジタル化し、すぐにデータとして活用できます。この機能は、紙ベースの情報をすばやくデジタル化したい場合に便利です。
外出先でのデータ確認と編集
取引先との商談中や移動時間中など、パソコンを開けない状況でもスマホがあればエクセルデータの確認や編集が可能です。例えば、商談中に相手から質問された数値データをその場で確認したり、急な依頼に対してデータを編集して送信したりできます。これにより、ビジネスのレスポンス速度が向上し、顧客満足度の向上にもつながります。
グラフや表の作成と共有
スマホ版エクセルでも、基本的なグラフや表の作成が可能です。シンプルなデータ分析や視覚化をスマホ上で行い、その結果をメールやチャットアプリで即座に共有できます。例えば、日々の売上データをグラフ化してチーム内で共有するといった使い方ができます。
無料版と有料版の違い
スマホ版エクセルには、無料で使える機能と有料サブスクリプション(Microsoft 365)に加入することで使える機能があります。それぞれの特徴を理解して、自分のニーズに合った利用方法を選びましょう。
無料版でできること
無料版のエクセルアプリでも、基本的な機能は十分に使えます。以下は無料版で利用可能な主な機能です。
- ファイルの閲覧・編集・新規作成
- 基本的なデータ入力と編集
- 基本的な数式や関数の使用
- シンプルなグラフや表の作成
- OneDriveとの連携による保存・同期
- PDFへの変換・共有
無料版は、個人での使用や簡単なデータ管理、基本的な計算作業には十分対応できます。家計簿や学習管理、小規模事業の売上管理などには適しています。
ただし、iPadを使用する場合、画面サイズが10.1インチを超えるデバイスでは、無料版では閲覧のみの機能に制限され、編集機能を使うにはMicrosoft 365の有料サブスクリプションが必要になります。
有料版(Microsoft 365)でできること
Microsoft 365のサブスクリプションに加入すると、無料版にはない高度な機能が利用できるようになります。以下は有料版で追加される主な機能です。
- 高度な関数や数式の使用
- ピボットテーブルの作成と編集
- 詳細なグラフ要素の追加と編集
- コメント機能の利用
- カスタムセルの書式設定
- セルの条件付き書式設定
- 複雑なデータ分析ツールの使用
- 大画面タブレット(10.1インチ超)での編集機能
有料版は、ビジネスでの本格的な利用や複雑なデータ分析が必要な場合に適しています。Microsoft 365のサブスクリプションには、Excel以外にもWord、PowerPointなどのOfficeアプリも含まれており、月額または年額で利用できます。
スマホでエクセルを使う際の注意点
スマホでエクセルを活用する際には、いくつかの制限や注意点があります。効率的に使うためにも、以下の点を押さえておきましょう。
画面サイズの制限
スマホの画面サイズは限られているため、大きな表やデータセットの編集には不向きな場合があります。特に、複数の列や行にまたがる大きなデータを扱う場合は、操作性が低下することがあります。そのような場合は、必要な部分だけを編集するか、パソコンでの作業に切り替えることをおすすめします。
一部の高度な機能が使えない
スマホ版エクセルでは、パソコン版の全機能が使えるわけではありません。特に無料版では、マクロの実行やVBAの編集、一部の高度なデータ分析ツールなどが利用できません。複雑な作業や専門的な機能が必要な場合は、パソコン版エクセルの使用を検討してください。
データ入力の効率
スマホでのデータ入力は、パソコンのキーボードと比べると効率が劣る場合があります。特に大量のデータを入力する必要がある場合は、パソコンでの作業の方が効率的です。スマホでは、データの閲覧や簡単な編集、急な修正などの軽作業に焦点を当てた使い方が効果的です。
オフライン利用の制限
クラウドストレージと連携している場合、インターネット接続がない環境では一部の機能が制限される場合があります。重要なファイルは、事前にデバイスに保存しておくか、オフライン編集が可能な設定にしておくことで、インターネット接続がない環境でも作業を継続できます。
まとめ
スマホでエクセルを使うことで、場所や時間を選ばず柔軟に作業ができるようになります。基本的なファイルの閲覧・編集から、クラウド連携によるシームレスな作業、カメラ機能を使ったデジタル化まで、スマホならではの便利な活用法が数多くあります。
無料版でも十分な機能が使えますが、より高度な機能が必要な場合はMicrosoft 365のサブスクリプションを検討するとよいでしょう。画面サイズの制限やデータ入力の効率など、スマホでの作業には一定の制約もありますが、それを理解した上で活用すれば、作業効率の向上が期待できます。