今回は、楽器を大人の趣味として無理なく始めるためのヒントについて紹介します。
日々の生活の中で、仕事や家事とは別の没頭できる時間を持つことは、心のリフレッシュにつながるといわれています。
その選択肢のひとつとして、楽器の演奏に興味を持つ方も少なくありません。
「子供の頃に少し触ったことがある」「全くの初心者だけれど好きな曲を弾いてみたい」など、きっかけはさまざまです。
しかし、いざ始めようと思っても、何を選べばいいのか、続けられるか不安に感じることもあるかもしれません。
そこで、初めてでも挫折しにくく、日常のペースに合わせて楽器を楽しむための選び方や練習のコツを整理していきます。
自分に合った楽器の選び方
楽器選びは、趣味として長く続けるための最初の大きなステップといえます。
見た目や音色の好みだけでなく、住宅環境や生活スタイルに合っているかを考慮することが大切になりそうです。
音量と練習環境の確認
自宅で練習する場合、最も気をつけたいのが音の問題です。
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる場合は、ヘッドホンが使える電子楽器が有力な候補となります。
- 電子ピアノやキーボード:音量調節ができ、ヘッドホンを使えば夜間でも練習しやすいのが特徴です。
- サイレントギターや電子ドラム:アコースティック楽器に近い感覚を持ちながら、周囲への音漏れを抑えられる工夫がされています。
- ウクレレやアコースティックギター:生音が出るため、日中の音出しが可能な環境か、弱音器(ミュート)を活用できるかを確認するとよさそうです。
自分の住環境で無理なく音を出せる時間帯や工夫をイメージしてから選ぶと、練習場所探しでつまずくのを防ぎやすくなります。
サイズと取り回しのしやすさ
楽器の大きさも、練習のハードルを左右する要素のひとつといえます。
気軽に手に取れるサイズの楽器であれば、「5分だけ弾こう」といった隙間時間の練習がしやすくなります。
たとえば、ウクレレやカリンバ、オカリナなどは小型で軽く、リビングのソファの上などでもすぐに音を出せる手軽さがあります。
一方で、キーボードや電子ドラムなどは、ある程度の設置スペースが必要になります。
毎回ケースから出して組み立てる手間がかかると、次第に練習から遠ざかってしまうこともあるため、出しっぱなしにできる定位置を作れるかがポイントになりそうです。
初心者が挫折しないための初期設定
楽器を手に入れた後、スムーズに練習をスタートするためのちょっとした準備が、継続の助けになる傾向があります。
必要なアイテムを最小限で揃える
最初は楽器本体だけでなく、練習をサポートする小物もいくつか必要になります。
チューナー(音合わせの道具)や譜面台、教則本などが代表的ですが、まずは最小限のものから揃えるのがおすすめです。
最近ではスマートフォンの無料アプリでチューナーやメトロノームの機能を使えるものも多く、それらを活用すれば初期費用を抑えつつ、すぐに練習を始められます。
譜面台に関しても、タブレットのスタンドで代用するなど、身近なもので工夫しながら自分に必要なものを少しずつ買い足していくと無駄が少なく済みそうです。
目標を小さく設定する
楽器を始める際、「この難しい曲を弾けるようになりたい」という大きな目標を持つことはモチベーションになります。
しかし、最初から完成を急ぐと、理想と現実のギャップに挫折感を感じてしまうこともあります。
そのため、まずは「ドレミファソラシドをスムーズに弾く」「簡単なコード(和音)を3つ覚える」「きらきら星を最後までつっかえずに弾く」といった、数日〜数週間で達成できそうな小さな目標を立てるのがコツといえます。
小さな成功体験を積み重ねることで、楽器を触ること自体が楽しくなっていく可能性があります。
独学で進めるための練習の工夫
音楽教室に通う時間が取れない場合でも、現在は独学で楽器を習得しやすい環境が整っています。
自分のペースで進められる独学だからこそ、練習方法に少しの工夫を取り入れるとよさそうです。
動画サイトのチュートリアルを活用する
楽器の持ち方や指の動かし方など、文章や写真だけでは分かりにくい部分は、動画サイトの解説動画を見るのが効果的です。
初心者向けの講座を順番に配信しているチャンネルも多く、自分にとって説明が分かりやすい動画を探すのも楽しみのひとつになります。
動画の良いところは、何度でも一時停止や巻き戻しをして確認できる点です。
手元のアップ映像を見ながら、自分の指の形と見比べて少しずつ修正していくと、変な癖がつくのを防ぎやすくなります。
自分の演奏を録音・録画してみる
ある程度曲が弾けるようになってきたら、スマートフォンなどで自分の演奏を録音、または録画して客観的に聞いてみるのがおすすめです。
弾いている最中は気づかなかったリズムのズレや、音の強弱のバランスに気づくことができます。
最初は自分のつたない演奏を聞くのが少し恥ずかしく感じるかもしれませんが、過去の録音と数ヶ月後の録音を聴き比べると、上達の過程がはっきりと分かり、大きな自信につながる傾向があります。
練習を生活の一部に溶け込ませる
趣味として長く楽しむためには、練習を「特別なイベント」ではなく、「日常の延長」にすることが理想的といえます。
毎日楽器に触れる習慣づけ
「週末にまとめて2時間練習する」よりも、「毎日10分でもいいから楽器に触る」方が、上達を感じやすく、習慣として定着しやすいといわれています。
お湯を沸かしている間や、テレビのCMの間など、ちょっとした隙間時間に楽器を手に取るルールを作ると、練習のハードルが下がります。
そのためにも、楽器をケースにしまわず、すぐに手が届く場所に出しておくことが効果的です(ただし、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避けるなど、楽器の保管環境には配慮が必要です)。
完璧を求めず楽しむことを優先する
大人になってからの趣味は、誰かに評価されるためのものではありません。
そのため、練習の進み具合が遅かったり、なかなか上達しなかったりしても、焦る必要はないといえます。
時には基礎練習を休みにして、ただ自分の好きな音を適当に鳴らしてみたり、弾きやすい曲だけを繰り返し弾いて気分転換したりする日があってもよさそうです。
楽器の音色そのものを味わい、その時間に没頭できること自体が、最高のリフレッシュになるといえそうです。
まとめ
楽器を趣味として始めることは、日々の生活に新しい彩りと没頭する喜びをもたらしてくれます。
自分の住環境や生活スタイルに合った楽器を選び、小さな目標を立てて少しずつ音を出す楽しさを味わうことで、無理なく継続しやすくなります。
動画サイトを活用したり、毎日少しだけ触れる習慣を作ったりしながら、上達を急がず、自分自身のペースで音楽との付き合い方を築いていくのもひとつの方法といえます。
気になっていた楽器があるなら、まずは気軽にその音色に触れてみるのもよさそうです。