今回は、将来のためにお金を育てていきたい初心者の方向けに、話題の「つみたてNISA」などを使った投資の始め方について紹介します。
「貯金」だけでは少し不安な時代に
「お金は銀行に預けておくのが一番安全」——少し前まではそれが常識でした。しかし現在、銀行の預金金利は非常に低く、お金を預けておくだけではほとんど増えない時代になっています。さらに、普段の生活の中で「物の値段が上がったな(インフレ)」と感じることも増えてきました。
物の値段が上がるということは、相対的にお金の価値が下がるということです。そのため、ただ貯金しているだけでは、将来必要になるお金が足りなくなってしまうかもしれないという不安を抱える方が増えています。
そこで注目されているのが、お金自身に働いてもらって少しずつ増やしていく「投資」という選択肢です。投資と聞くと「難しそう」「損をするのが怖い」というイメージがあるかもしれませんが、初心者でも比較的安全に、そして少額から始められる方法があります。
初心者に優しい「つみたて投資枠」の魅力
これから投資を始める方に最もおすすめなのが、新しいNISA制度の中にある「つみたて投資枠(旧つみたてNISA)」の活用です。
これは、国が「国民の皆さんが将来のために資産づくりをしやすいように」と用意してくれた、とてもお得な制度です。通常、投資で利益(儲け)が出ると約20%の税金が引かれてしまいますが、NISAの口座で投資をした場合、その利益が「非課税(まるまる自分のものになる)」になるという大きなメリットがあります。
この制度を使って、毎月決まった金額をコツコツと積み立てていくのが、初心者の投資の王道と言われています。
「長期・分散・積立」の3つのルール
投資で失敗するリスクを減らすためには、プロの投資家も実践している「長期・分散・積立」という3つの基本ルールを守ることが大切です。
リスクを減らすための具体的な考え方
- 長期(長く続ける):数ヶ月や1年で結果を出そうとせず、10年、20年という長い時間をかけてお金を育てていきます。時間が長くなるほど、お金がお金を生む「複利(ふくり)」の力が大きくなり、資産が増えやすくなります。
- 分散(卵を一つのカゴに盛らない):一つの会社の株だけを買うのではなく、世界中のいろいろな会社に少しずつお金を分けて投資します。もし一つの会社の業績が悪くなっても、他の会社でカバーできるようにするためです。
- 積立(タイミングを気にしない):「今が安いからたくさん買う」「高いから買うのをやめる」といった判断をせず、毎月同じ日に、同じ金額分だけを機械的に買い続けます。これを「ドルコスト平均法」と呼び、結果的に平均の購入価格を安く抑える効果があります。
投資信託という「詰め合わせパック」
「分散投資」が大切だと言われても、世界中の会社の株を自分で一つ一つ選んで買うのは不可能です。そこで登場するのが「投資信託(ファンド)」という商品です。
投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金を一つの大きな資金にし、投資のプロが世界中の株式や債券などに分散して投資してくれる「詰め合わせパック」のようなものです。
初心者が選びやすい商品の特徴
NISAの「つみたて投資枠」で買える投資信託は、金融庁が「長期間の積み立てに向いている」と厳しい基準で選んだ商品ばかりなので、初心者が大失敗をするリスクが初めから低く抑えられています。
その中でも、「全世界株式(オール・カントリー、通称オルカン)」や「S&P500(アメリカの代表的な500社)」と呼ばれる商品に連動する投資信託が、手数料も安く、一つの商品で世界中(またはアメリカ全体)に分散投資ができるため、人気を集めています。
まとめ
投資を始めるための最初の一歩は、証券会社(インターネットの証券会社が手数料が安くおすすめです)に口座を開設することです。
最初は、毎月3,000円や5,000円といった、家計の負担にならない少額から始めてみてください。生活防衛資金(何かあった時のためにすぐに引き出せる現金、生活費の数ヶ月〜半年分)はしっかりと銀行の貯金で確保し、それ以外の「当面使う予定のないお金(余剰資金)」で投資を行うことが、心穏やかに続けるための絶対のルールです。
設定が終われば、あとは自動的に毎月積み立てられていきます。毎日の株価の上がり下がりを気にして画面に張り付く必要はありません。ゆっくりと時間を味方につけながら、将来の自分へのプレゼントを育てるような気持ちで、投資と上手にお付き合いを始めてみてはいかがでしょうか。