家電が壊れるタイミングの痛手で絶望した私が始めた「家電積立」というお守り

「……嘘でしょ、なんで今なの?」

休日の朝、山積みの洗濯物を抱えて洗面所に入った私の耳に、聞いたことのない異音が飛び込んできた。
「ガガガ、ピーーッ、ピーーッ」
洗濯機のエラー音が、静かな家の中に響き渡っている。

私は34歳。共働きで、5歳と2歳の子供を育てている。
休日は、平日に溜まった家事を一気に片付ける貴重な時間だ。
特に洗濯は、保育園のシーツや着替え、夫のワイシャツなど、週末に3回は回さないと終わらない。

祈るような気持ちで電源を入れ直してみたけれど、洗濯機はウンともスンとも言わなくなった。

「洗濯機、壊れた……」

膝から崩れ落ちそうになった私に、追い打ちをかけるような出来事が起きたのは、その日の午後だった。

負の連鎖と絶望的なタイミング

洗濯機が使えないため、私は泣く泣く重い洗濯物を車に積み込み、近くのコインランドリーに向かった。
2時間かけて洗濯と乾燥を終わらせ、ヘトヘトになって帰宅すると、リビングから夫の焦った声が聞こえてきた。

「おい、冷蔵庫の氷が全部溶けてるぞ!」

慌ててキッチンに行くと、冷凍庫の下から水がポタポタと滴り落ちていた。
昨日、特売で大量に買って作り置き用に冷凍したお肉も、子供たちのお気に入りのアイスも、全部ぐちゃぐちゃになっていた。

「冷蔵庫も……壊れたの?」

洗濯機と冷蔵庫。
我が家の生活を支える二大巨頭が、同じ日に息を引き取った。

すぐに家電量販店に走り、新しいものを購入した。
でも、その金額を見て私は再び絶望した。
ドラム式洗濯機と大型冷蔵庫、合わせて40万円。

来月は車検があり、再来月は娘の七五三の写真撮影を控えている。
ただでさえ出費が重なるこのタイミングでの40万円の痛手は、我が家の家計を一気にマイナスに引きずり込んだ。

「なんで今なの。なんで一度に壊れるの」

夜、子供たちが寝た後、私は空っぽになった冷蔵庫の前でボロボロと泣いた。
自分たちの生活が、こんなにも「機械」に依存し、そして「お金」に左右されるものだという現実が、情けなくて悲しかった。

「10年目」という見えない爆弾

翌日、出社した私は、同僚の先輩ママに昨日の惨劇を愚痴った。

「洗濯機と冷蔵庫が同じ日に壊れて、40万飛んでいったんですよ。もう最悪です……」

すると先輩ママは、少しも驚かずにこう言った。
「あー、結婚して10年くらい経つ?」

「え?はい、ちょうど今年で結婚10周年です」

「やっぱり。家電ってね、だいたい10年で一斉に寿命が来るのよ。うちも10年目の時に、エアコンとテレビとレンジが立て続けに壊れて、ボーナス全部消えたから」

ハッとした。
確かに、壊れた洗濯機も冷蔵庫も、結婚した時に新居に合わせて買ったものだ。
「10年」という寿命を迎え、彼らは役目を全うしただけだったのだ。

「突然の不運」ではなく、「予測できた未来」だった。

私は、家計簿のやりくりに必死で、毎月の食費や日用品の節約ばかりに目を向けていた。
でも、「家電が寿命を迎える」という当たり前の事実から目を背け、全く準備をしていなかったのだ。

「家電積立」という新しいお守り

この痛い経験から、私は家計の管理方法を根本から変えることにした。

これまでは、何か大きな出費があるたびに「貯金」から切り崩していた。
でも、貯金が減るのを見るたびに、「またお金がなくなった」という強いストレスを感じていた。

そこで私は、銀行に新しく「家電専用の口座」を作った。

・冷蔵庫(20万)÷10年=年間2万
・洗濯機(20万)÷10年=年間2万
・エアコン2台(30万)÷10年=年間3万
・テレビ、レンジなど(10万)÷10年=年間1万

ざっくり計算すると、年間8万円。月に直すと約7000円だ。
これを毎月、給料が入った瞬間に「家電専用口座」に自動で移す設定にした。

「毎月7000円」という出費は確かに痛いけれど、これは「未来の安心」を買うためのお守りだ。

それから数年後。
ついに、リビングのエアコンから生ぬるい風しか出なくなった。
真夏の猛暑日。以前の私なら、「なんで今なの!」と泣き叫んでいただろう。

でも、今回は違った。
家電専用の口座には、すでに十分なお金が貯まっていたからだ。

「よし、新しいの買おう!」
夫と笑顔で家電量販店に行き、一番省エネで性能の良いエアコンを、罪悪感なく購入することができた。

家電は、いつか必ず壊れる。
それは「不運」ではなく「寿命」だ。
そして、その寿命は必ず、家計が苦しいタイミングや、忙しい時期を狙ったようにやってくる。

もし今、結婚して数年が経ち、家にある家電たちが「まだ元気」に動いている家庭があるなら。
今のうちに、月に数千円でもいいから「家電積立」を始めてみてほしい。

突然の故障は、防げない。
でも、その時の「絶望感」と「お金の不安」は、事前の準備で確実に消し去ることができるのだから。

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