家族が片付けに協力しないと怒鳴っていた私が「捨てる基準」を変えて起きた奇跡

「ねえ、これ捨てていい?」

週末の大掃除。私がゴミ袋を片手にリビングで尋ねると、夫はテレビから目を離さずに「あー、それまだ使うかもだから置いといて」と答えた。
指差したのは、もう2年も使っていないダイエット器具だ。
その横には、息子が半年前に遊んでいたハッピーセットの小さなおもちゃが山積みになっている。

「使うかもって、いつ使うのよ!!」

私の中で、何かがプツンと切れた。
私は34歳。共働きで、5歳の息子を育てている。
毎日仕事から帰ってきて、散らかった部屋を見るだけでどっと疲れが押し寄せる。
だからこそ、「休日は部屋をスッキリさせよう!」と意気込んで片付けを始めるのに、いつも夫と息子の「捨てないで」という言葉に阻まれてしまうのだ。

捨てられない家族と、イライラする私

「片付かない部屋」の最大の原因は、明らかに「物が多いこと」だった。

クローゼットには、夫が「いつか痩せたら着る」と言って残している学生時代のデニムが何本もある。
息子の部屋には、「いつか使うかも」と取っておいた空き箱やトイレットペーパーの芯が溢れている。

私自身も、例外ではない。
「高かったから」「誰かのお下がりで使えるかも」と、着ていない服や使っていない食器をたくさん抱え込んでいた。

「この家にあるもの、全部捨ててしまいたい!」

片付けが進まないストレスで、私はどんどんヒステリックになっていった。
「なんでこんなゴミみたいなもの取っておくの!?」「早く片付けてよ!」
怒鳴れば怒鳴るほど、夫は不機嫌になり、息子は泣きながらおもちゃを抱え込む。
そして、部屋は全く片付かないまま、最悪の空気で休日が終わる。

「片付けって、なんでこんなに苦しいんだろう」

夜、散らかったリビングで一人泣きそうになりながら、私はスマホで「片付け 家族 協力しない」と検索した。
そこには、ある片付けコンサルタントの言葉があった。

『家族をコントロールしようとするから、苦しくなるんです。まずは、自分のテリトリーから始めましょう』

ハッとした。
私は、「部屋を綺麗にしたい」という自分の理想を、夫や息子に押し付けて、彼らのものを勝手に捨てようとしていたのだ。

「捨てる基準」は人それぞれ違う

翌日から、私は作戦を変えた。
夫と息子のものには一切口を出さず、まずは「自分のもの」だけを徹底的に見直すことにしたのだ。

クローゼットを開け、自分の服を全部出してみる。
「これ、まだ着られるかな」「高かったしな」
そうやって迷い始めた時、私は自分の中に一つの「捨てる基準」を作った。

それは、「もし今、お店で売っていたら、定価で買うか?」という基準だ。

「痩せたら着る」と思っていたワンピース。
今、お店で売っていても、絶対買わない。今の私の体型には合わないし、何より着ていて気分が上がらないからだ。

「高かったから」と残していたコート。
今売っていても買わない。重くて肩が凝るし、今のライフスタイル(自転車送迎)には全く合わないからだ。

この「今、お金を出して買うか?」という基準を設けたことで、驚くほどサクサクと服を捨てられるようになった。
「いつか」という不確実な未来や、「過去」の執着を手放し、「今」の自分に必要なものだけを残す。

クローゼットがスッキリすると、不思議と心まで軽くなった。

家族が変わった瞬間

自分のテリトリー(クローゼット、化粧ポーチ、キッチンの一角)がスッキリと片付いていくのを見て、私は明らかに機嫌が良くなった。
「早く片付けて!」とガミガミ怒ることも減った。

すると、不思議なことが起きた。

ある休日の午後。
私が機嫌良くリビングでお茶を飲んでいると、夫が自分のクローゼットをごそごそと漁り始めた。

「これ、もう着ないから捨てるわ」

そう言って、ずっと「痩せたら着る」と意地を張っていたデニムを何本もゴミ袋に入れ始めたのだ。
驚いて「どうしたの?」と聞くと、夫は少し照れくさそうに笑った。

「いや、君のクローゼットがスッキリしてるの見てたら、なんか俺のも邪魔に見えてきてさ」

さらに、それを見ていた息子も「僕もこれバイバイする!」と、遊ばなくなったおもちゃを自分で選び始めた。

「家族を変えよう」と必死に怒鳴っていた時は、全く動かなかったのに。
私が「自分の片付け」を楽しんで、機嫌良く過ごしている姿を見せるだけで、家族は自然と片付けを始めてくれたのだ。

片付けは、家族の戦いじゃない。
「捨てる基準」は人それぞれ違うし、他人の大切なものを勝手に「ゴミ」と決めつける権利は誰にもない。

もし今、片付けてくれない家族にイライラして、週末のたびに怒鳴り散らしているママがいるなら。

一度、家族のものを片付けるのをやめてみてほしい。
そして、まずは自分の引き出し一つ、ポーチ一つから、「今、これをお金を出して買いたいか?」という基準で向き合ってみてほしい。

あなたがスッキリとした空間で笑顔を取り戻した時、家族はきっと、その後ろ姿を追いかけてくれるはずだから。

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