生活感が隠せないと嘆いていた私が「おしゃれな部屋」を諦めて得たもの

「やっぱり、全然おしゃれにならない……」

休日の昼下がり。
SNSで憧れのインフルエンサーの投稿を見た後、スマホから顔を上げて自分の部屋を見渡し、私は深いため息をついた。

私は33歳。都内で共働きをしていて、3歳のやんちゃな男の子を育てている。
マイホームを購入した時は、「北欧風のすっきりしたインテリアにするぞ!」と息巻いていた。
奮発して買った無垢材のダイニングテーブル。お気に入りのブランドのソファ。

でも、今のリビングは、あの頃思い描いていた「理想の部屋」とは程遠い。

隠しきれない「生活感」の正体

ダイニングテーブルの上には、息子の食べこぼしを拭くためのおしりふきがドカッと置かれ、その横には夫が飲みかけのプロテインシェイカーが転がっている。

テレビボードの周りは、原色のプラスチック製おもちゃで溢れかえっている。
赤、青、黄色の派手なブロックが、木目の美しい床を侵食している。

ソファには、取り込んだままの洗濯物が山積み。
その隙間に、私が昨日脱ぎ捨てた部屋着が半分埋もれている。

「生活感が出ない部屋」に憧れて、見せる収納やおしゃれなカゴをいくつか買ってみたこともあった。
でも、そのカゴの中身はいつの間にか郵便物の束や、得体の知れない子供のガラクタ(石やどんぐり)で溢れかえり、結局「ただのゴミ箱」と化してしまった。

「なんで私の部屋は、SNSみたいに綺麗にならないの?」

休日に一人でせっせと片付けをしては、数時間後には元通りになる部屋を見て、イライラが募るばかりだった。

ある日、ママ友が我が家に遊びに来ることになった。
前日の夜、私は夫と息子を巻き込んで、数時間かけて大掃除をした。
おもちゃは全てクローゼットに押し込み、テーブルの上は何もない状態にした。

当日、「わあ!綺麗にしてるね!」と褒められて嬉しかったけれど、心の中では「昨日無理やり隠しただけなんだけどね……」と虚しさが広がっていた。

そしてママ友が帰った後、クローゼットから雪崩のように崩れ落ちてくるおもちゃを見て、私はついに限界を迎えた。

「もう、無理だ。おしゃれな部屋なんて、子供がいるうちは諦めよう」

「見せる」と「隠す」の境界線

私は、Instagramでおしゃれな部屋を探すのをやめた。
代わりに、「子供がいる リアルな部屋」と検索してみた。

そこにあったのは、モデルルームのような完璧な部屋ではなかったけれど、どこか温かみがあり、かつスッキリとしている部屋の写真だった。

その中の一つのブログに、こんなことが書かれていた。

『生活感を完全に消すのは無理。大切なのは、「許せる生活感」と「ノイズになる生活感」を分けること』

ハッとした。
私は、「おしりふき」も「おもちゃ」も「郵便物」も、全部同じように「悪」だと思って、とにかく隠そうとしていた。
でも、使う頻度の高いものをいちいち見えない場所にしまっていたら、出し入れが面倒になって、結局出しっぱなしになるのは当然だ。

私は部屋を見渡し、「ノイズ」になっているものを探し始めた。

一番のノイズは、色が氾濫している「パッケージ」だった。
おしりふきのど派手なピンクのパッケージ。
市販のティッシュ箱の派手な柄。

これらを、100円ショップで買ったシンプルな白いケースに詰め替えてみた。
テーブルの上に置きっぱなしでも、不思議と気にならなくなった。

次に、おもちゃ。
原色のおもちゃを全て隠すのは不可能だ。
だから、「リビングに出していいのは、このカゴ1つ分だけ」とルールを決めた。
そのカゴ自体を、部屋の雰囲気に合うラタン素材のものに変えた。
カゴからはみ出した分は、子供部屋に移動させる。

たったこれだけのことで、部屋の印象が大きく変わった。

完璧を諦めた先に見えた「居心地の良さ」

生活感を「ゼロ」にするのではなく、「コントロール」する。
その意識に変わってから、私の部屋に対するストレスは激減した。

ソファの上に洗濯物が乗っていても、「まあ、明日畳めばいいや」と思えるようになった。
なぜなら、「ノイズ」を減らしたおかげで、部屋全体がごちゃついて見えなくなったからだ。

休日の朝、私がコーヒーを飲んでいる横で、息子が赤いブロックで遊んでいる。
その光景が、以前のように「インテリアを壊す邪魔者」ではなく、「愛おしい日常の一部」として見られるようになった。

SNSの完璧な部屋と比べて落ち込むことは、もうない。
私の家は、私が、そして家族が「心地よく暮らすための場所」なのだから。

もし今、部屋の片付けに追われて「おしゃれにならない」と嘆いている人がいるなら。

全部を隠そうとするのは、もうやめてみないか。
まずは、テーブルの上の派手なパッケージを一つ、シンプルなケースに変えてみてほしい。

その小さな「ノイズ」を消すだけで、あなたの部屋はきっと、もっと好きになれるはずだ。

→[PR]関連商品を見る

タイトルとURLをコピーしました