今回は、SONY(ソニー)のフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7CII ボディ」について、独自の分析・視点でまとめてみました。 コンパクトなボディに高性能機能を搭載し、幅広い撮影シーンで活躍するこのカメラの魅力を詳しく紹介します。
コンパクトボディに込められた高性能
SONY α7CIIは、2023年10月に発売された小型・軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラです。サイズは約124.0(幅)×71.1(高さ)×63.4(奥行)mm、重量は約514g(バッテリーとメモリーカード含む)と、フルサイズカメラとしては非常にコンパクトな設計になっています。前モデルのα7Cから3年の月日を経て、イメージセンサーや画像処理エンジン、操作系などが大幅に進化しています。
α7CIIの心臓部とも言える撮像素子は、有効最大約3300万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー「Exmor
R」を採用。これは一般的なスマートフォンで使用されている1/2.3型センサーの約30倍の大きさになります。大きなセンサーサイズにより、より多くの光と画像情報を取り込むことが可能となり、豊かな階調表現や色再現性を実現しています。
画像処理エンジンには、フラッグシップモデルのα1やα7S IIIでも採用されている最新の「BIONZ
XR」を搭載。前モデルと比較して最大約8倍の処理能力を持ち、高い階調表現や忠実な色再現性能などの画質向上や、AF/AFおよび顔/瞳検出の速度・精度向上を可能にしています。
進化したオートフォーカス性能
α7CIIの最大の特徴の一つが、「AIプロセッシングユニット」の搭載です。これにより、被写体認識の性能が飛躍的に向上しました。人物の骨格や姿勢などの詳細な情報に基づいた高精度な認識が可能になっただけでなく、「人物」「動物/鳥」「動物」「鳥」「昆虫」「車/列車」「飛行機」など、幅広い被写体を認識することができます。
静止画撮影時のAF測距点数は最大759点(位相差検出方式)で、わずかな光でも確実にピントを合わせることができる-4EVの低輝度AFに対応しています。サングラスをかけた人物でも正確に瞳の位置をとらえ、横顔や後ろ向きになっても頭部をしっかりと認識し続けるなど、その追従性能は非常に高いレベルを誇ります。
また、被写体認識の対象ごとに「トラッキング乗り移り範囲」や「トラッキング維持特性」「認識感度」「認識部位」などの詳細な設定が可能で、撮影シーンや被写体に合わせたカスタマイズができます。
優れた手ブレ補正機能
α7CIIは、コンパクトなボディながら高性能な光学式5軸ボディ内手ブレ補正を搭載しています。静止画撮影時には7.0段(CIPA規格準拠)の手ブレ補正効果を実現し、暗所や望遠レンズでの撮影でも鮮明な画像を得ることができます。
動画撮影時には、通常の手ブレ補正に加えて、歩きながらの撮影などでも安定した映像が得られる「アクティブモード」を搭載。さらに、対応する手ブレ補正機構内蔵レンズとの組み合わせでは、ボディとレンズが協調して働き、望遠域で発生しがちな大きなブレを効果的に抑制します。
高画質な動画撮影機能
α7CIIは静止画だけでなく、動画撮影においても高い性能を発揮します。7K相当の豊富な情報量を凝縮することで、高品位な4K映像として出力することが可能で、4:2:2 10bitで4K60pの動画記録に対応しています。
また、映像クリエイターに人気のS-Cinetoneをはじめとする多彩な映像表現機能を搭載。動画撮影時のフォーカスブリージングやフォーカスシフトを低減する機能も備えており、プロフェッショナルな映像制作をサポートします。
さらに、バリアングル式の液晶モニターを採用しているため、自撮りやローアングル、ハイアングルなど様々な角度からの撮影が可能で、Vlog撮影などにも適しています。
操作性と機能性の向上
α7CIIでは前モデルから操作性も大きく向上しています。グリップの形状が改良され、ホールディング性が向上。外装のラバーも手指をしっかりとグリップできるタイプに変更されています。
新たに前ダイヤルが搭載され、絞り値やシャッタースピードなどをスムーズに変更しながら撮影できるようになりました。また、撮影モードダイヤルとは別に「静止画/動画/S&Q切り換えダイヤル」を設け、露出モードと撮影モードを別々に選択できるようになっています。
電子ビューファインダー(EVF)の倍率は前モデルの0.59倍から0.7倍にアップし、視認性が向上。液晶モニターも約92万ドットから約103万ドットに増加しています。
常用ISO感度は静止画・動画時ともに100-51200を実現しており、高感度でノイズを抑えた撮影が可能です。拡張時にはISO50-204800まで設定できます。
バッテリー性能と接続性
α7CIIのバッテリーは、前モデルと同じ大容量の「NP-FZ100」を採用。静止画撮影可能枚数はファインダー使用時で約530枚、液晶モニター使用時で約560枚です。実動画撮影時間はファインダー使用時で約100分、液晶モニター使用時で約105分となっています。
SDメモリーカードスロットはボディ左側面に1基搭載され、UHS-IIに対応しています。また、USB Type-C端子を備えており、USB PD(Power Delivery)に対応した外部電源からの給電も可能です。
まとめ
SONY α7CIIは、コンパクトなボディに最新のテクノロジーを惜しみなく搭載し、静止画・動画どちらでも高いパフォーマンスを発揮するオールラウンダーと言えます。優れた被写体認識AF性能や手ブレ補正機能、高画質な動画撮影機能などは、プロフェッショナルからエントリーユーザーまで幅広いニーズに応えるものになっています。
軽量で持ち運びやすいため、旅行や日常スナップなどにも最適で、大型レンズを装着しても安定した撮影が可能なホールディング性も魅力です。特に小型・軽量なレンズと組み合わせれば、APS-Cミラーレスに匹敵するコンパクトなシステムになりながらも、フルサイズならではの高画質と描写力を得ることができます。
価格はやや高めですが、その性能と携帯性を考えれば、フルサイズカメラを検討している方や、すでにカメラを使いこなしている方の2台目としてもおすすめできる一台です。