今回は、日々の暮らしをより安全で安心なものにするための、住宅設備における防犯の見直しと工夫について紹介します。
自宅は一日の疲れを癒やし、リラックスして過ごすための大切な場所といえます。
しかし、空き巣などの侵入被害は戸建てやマンションを問わず発生する可能性があり、日頃からの備えが被害を未然に防ぐ鍵になるといわれています。
大がかりな工事を伴うリフォームを検討するのもひとつの手ですが、まずは今ある住宅設備の使い方を見直したり、手軽に取り付けられる防犯グッズを活用したりするだけでも、家の防犯力は高まる傾向があります。
そこで、泥棒に「入りにくい家」と思わせるための、窓や玄関などの設備ごとのチェックポイントや、具体的な対策のアイデアを整理していきます。
泥棒が嫌がる「入りにくい家」の条件
防犯対策を考えるうえで基本となるのは、侵入者の心理を理解することだといわれています。
一般的に、侵入に時間がかかる家や、人目につきやすい家はターゲットとして避けられやすい傾向があります。
侵入に「5分以上」かかる工夫
多くの空き巣は、窓やドアを突破するのに5分以上の時間がかかると、侵入を諦めることが多いといわれています。
そのため、住宅設備を見直す際は「いかに時間を稼ぐか」を意識するのがポイントになります。
玄関の鍵をツーロック(二重鍵)にしたり、窓ガラスに防犯フィルムを貼ったりすることで、物理的な突破時間を延ばすことができます。
また、これらの対策が施されていることが外から見て分かる状態にしておくだけでも、狙われるリスクを下げる効果が期待できそうです。
光と音で周囲の視線を集める
暗がりや死角に隠れて作業ができる家は、侵入者にとって好都合といえます。
これを防ぐためには、「光」と「音」の設備を活用して、周囲の視線を集めやすくする工夫が役立ちます。
人が近づくと自動で点灯するセンサーライトを玄関先や勝手口、ガ口などに設置しておくと、夜間の不審な動きを照らし出すことができます。
また、家の周囲に防犯砂利を敷いておくと、上を歩くたびに大きな音が鳴るため、足音を立てずに近づくのが難しくなります。
特別な工事が不要で、週末のDIYで手軽に導入できるのも魅力のひとつといえそうです。
玄関まわりの防犯設備の見直し
玄関は家の顔であると同時に、侵入経路として狙われやすい場所でもあります。
鍵の掛け忘れに注意するのはもちろんですが、設備そのものの防犯性を高めることも大切になります。
スマートロックや電子錠の導入
従来の鍵穴に鍵を差し込んで回すタイプの錠前は、ピッキングなどの被害に遭うリスクがゼロではありません。
より防犯性を高めるためには、暗証番号や指紋認証、スマートフォンを使って解錠する「スマートロック」や「電子錠」の導入が有効な選択肢となります。
鍵穴自体がないタイプであればピッキングを物理的に防げるほか、オートロック機能が付いているものを選べば、ゴミ出しなどのちょっとした外出時の鍵の掛け忘れ(無締まり)を防ぐことにもつながります。
現在使っている鍵の上から両面テープで貼り付けるだけで使える後付けタイプのスマートロックも増えているため、賃貸住宅でも手軽に試すことができそうです。
モニター付きインターホンとカメラの活用
訪問者の顔を室内から確認できるモニター付きインターホンは、防犯の基本設備として定着しつつあります。
しかし、古い機種の場合は画面が小さくて相手の顔が判別しにくかったり、録画機能がついていなかったりすることがあります。
最新の機種に交換することで、広角レンズで広範囲を確認できたり、不在時の訪問者を自動で録画してくれたりするため、不審な下見などを後から確認する手がかりになります。
また、玄関の天井付近にダミーの防犯カメラを設置しておくだけでも、心理的な威嚇効果を発揮する可能性があります。
窓の防犯対策で侵入を防ぐ
一戸建て住宅において、空き巣の侵入経路として最も多いのが「窓」だといわれています。
窓ガラスを割られて鍵を開けられる手口を防ぐために、窓まわりの設備にも二重、三重の対策を施すのがおすすめです。
補助錠による二重ロックの習慣
もともと窓についているクレセント錠(半円形の鍵)は、窓を密閉するための金具であり、防犯用の鍵としての強度は高くないといわれています。
そのため、窓のサッシの上下に「補助錠」を取り付けて、窓を開けにくくする工夫が役立ちます。
両面テープで貼り付けるタイプや、サッシの溝に差し込んでつまみを回すだけで固定できるタイプなど、数百円から購入できる安価なものも多いため、家中のすべての窓に設置しておくと安心です。
トイレや浴室の小さな窓も、換気のために開けたままにしていると狙われやすいため、必ず補助錠を取り付け、こまめに施錠する習慣をつけるとよさそうです。
防犯フィルムと防犯ガラスの使い分け
窓ガラスを割られにくくするためには、ガラスの表面に「防犯フィルム」を貼る方法があります。
専用のフィルムを貼ることで、ガラスが割れても破片が飛び散らずに粘着層にくっついたままになるため、鍵の周りに穴を開けるのに時間がかかるようになります。
自分できれいに貼るのが難しい場合は、専門の業者に依頼するか、最初から2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟み込んだ「防犯ガラス」に交換するのもひとつの手です。
防犯ガラスへの交換は費用がかかりますが、見た目は普通のガラスと変わらず、長期的な安全性を確保できるという利点があります。
周囲の環境と外構設備の工夫
建物そのものだけでなく、家の周囲(外構)の環境を整えることも、見落としがちな防犯対策のひとつといえます。
見通しの良いフェンスや生垣にする
プライバシーを守るために、家の周囲を高いブロック塀や鬱蒼とした生垣で囲っている家も多く見られます。
しかし、これらは一度敷地内に入ってしまえば外から姿が見えなくなるため、侵入者にとっては作業がしやすい「死角」になってしまうことがあります。
防犯の観点からは、外の通りから庭や窓の様子がある程度透けて見える、格子状のフェンスや背の低い生垣にするのが理想的とされています。
既存の高い塀をすぐに変えるのが難しい場合は、塀の近くに足場となるような物(自転車や脚立、大きなゴミ箱など)を置かないように整理整頓しておくことが大切になりそうです。
庭の照明や防犯砂利の配置
夜間の暗闇を減らすために、庭やアプローチに照明を配置することも有効な工夫です。
常時点灯しているガーデンライトは、家全体の印象を明るくするだけでなく、侵入者が隠れやすい暗がりをなくす効果があります。
前述のセンサーライトと組み合わせて、門扉から玄関までの動線を照らすように配置すると、帰宅時の安全確保にもつながり一石二鳥といえそうです。
また、勝手口や1階の窓の下など、人目が届きにくい場所に防犯砂利を敷き詰めておくと、踏むだけで「ジャリッ」という大きな音が出るため、接近に気づきやすくなります。
日常の習慣で防犯力を高める
どれだけ優れた防犯設備を導入しても、日々の使い方がルーズになってしまうとその効果は半減してしまいます。
設備を活かすための日常の習慣づけも、防犯対策の重要な一部といえます。
ゴミ出しや短時間の外出でも施錠する
「すぐ戻るから」と鍵を掛けずにゴミ出しに行ったり、近くのコンビニに行ったりするわずかな隙を狙われるケース(無締まり)は少なくありません。
オートロックのスマート錠を導入していない場合は、どれだけ短時間の外出であっても、必ず玄関とすべての窓の鍵を掛ける習慣を身につけることが大切です。
家族全員で「外出時は鍵を確認する」という意識を共有しておくことで、防犯の隙を減らすことにつながりそうです。
郵便受けに郵便物を溜めない
郵便受けに新聞やチラシが溜まったままになっていると、「長期間留守にしている」というサインになり、狙われるリスクが高まります。
旅行などで数日家を空ける場合は、新聞の配達を止めたり、郵便局に不在届を出したりして、郵便受けがいっぱいにならないように手配しておくのが基本の備えといえます。
また、日常的にも郵便受けは毎日確認し、不要なチラシはその日のうちに処分して、常にすっきりとした状態を保つよう心がけるのがよさそうです。
まとめ
住宅設備の防犯対策は、ひとつの大掛かりな設備に頼るのではなく、複数の小さな工夫を組み合わせて「入りにくい家」を作ることが大切といえます。
補助錠やセンサーライト、防犯砂利などの手軽なアイテムを取り入れたり、スマートロックやモニター付きインターホンを活用したりすることで、家の防犯力は着実に高まる傾向があります。
また、設備を整えるだけでなく、こまめな施錠や郵便受けの管理といった日常の習慣を見直すことも、被害を防ぐための重要なポイントになりそうです。
まずは自宅の窓や玄関周りを点検し、できるところから少しずつ防犯の工夫を取り入れて、安心して過ごせる住まいづくりを進めてみてはいかがでしょうか。