今回は、忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、読書習慣の身につけ方について紹介します。
読書を習慣にするということ
「今年こそはもっと本を読もう」「月に数冊は活字に触れよう」と目標を立ててみたものの、気がつけば買った本が机の隅に積まれたままになっている、という経験は誰にでもあるかもしれません。
本を読むことは、新しい知識を得たり、異なる価値観に触れたり、あるいは物語の世界に没頭して日常のストレスから離れたりと、私たちの心に豊かな栄養を与えてくれます。しかし、仕事や家事で疲れていると、文字を追うこと自体が億劫に感じてしまうこともあります。
読書を習慣にするための鍵は、「気合を入れて読む」という感覚を捨て、「歯磨きのように自然と本を開いてしまう」環境を作ることにあると考えられます。
完璧を目指さない読書術
読書が続かない理由の一つに、「最初から最後まで順番に、一言一句逃さずに読まなければならない」という無意識のプレッシャーがあります。
読書の仕方に正解はありません。
- つまらなければ途中でやめてもいい:今の自分に合っていないと感じたら、思い切って本を閉じて次の本に移る勇気も大切です。
- 目次から気になる章だけを読む:実用書やビジネス書などは、自分が必要としている情報だけを拾い読みするだけでも十分な価値があります。
- 複数の本を並行して読む:気分に合わせて「朝はビジネス書」「夜は小説」というように、その時のテンションに合った本を手に取るのもおすすめです。
このように読書に対するハードルを下げることで、本を開くことへの抵抗感が少なくなっていきます。
生活の導線に本を配置する
本を読む時間を作るためには、わざわざ「本を取りに行く」という動作をなくすことが効果的です。本を本棚にしまってしまうのではなく、生活の中で必ず通る場所や、よく座る場所に本を「配置」しておくのです。
目につく場所に本があることで、「ちょっと読んでみようかな」という気持ちが自然と湧いてきます。
おすすめの「本の配置場所」
- ベッドの枕元:寝る前の5分間、スマートフォンの代わりに本を開く習慣をつけます。
- リビングのテーブルの上:テレビのCMの間や、お茶を飲んで一息つく時にすぐに手が届くようにしておきます。
- カバンの中:通勤電車の中や、誰かを待っているちょっとした空き時間のために、常に1冊はカバンに忍ばせておくのがおすすめです。
デジタルとアナログを使い分ける
最近は、紙の本だけでなく、電子書籍やオーディオブック(耳で聴く本)など、読書の選択肢が広がっています。これらを自分のライフスタイルに合わせて上手に使い分けることも、読書習慣を定着させる助けになります。
それぞれの良さを活かす
- 紙の本:装丁の美しさを楽しんだり、ページをめくる手触りを感じたりと、読書という体験そのものを深く味わうことができます。また、記憶に残りやすいとも言われています。
- 電子書籍:スマートフォンや専用端末に何百冊もの本を入れて持ち歩けるため、外出先での読書に最適です。暗い場所でも読めるというメリットもあります。
- オーディオブック:満員電車の中や、家事をしている時、散歩中など、「目は離せないけれど耳は空いている」という時間を読書の時間に変えることができます。
アウトプットで読書の質を高める
ただ読むだけでなく、読んだ後に少しだけ「アウトプット(出力)」をしてみることで、本の内容が自分の中にしっかりと定着し、読書の満足度が上がります。
大げさな読書感想文を書く必要はありません。心に残った一文を手帳に書き写したり、スマートフォンのメモアプリに「面白かった」「ここが参考になった」と一言だけ残しておいたりするだけで十分です。
また、家族や友人に「この本、こんなところが面白かったよ」と話してみるのも立派なアウトプットになります。自分の言葉で人に伝えることで、考えが整理され、次の本を読むモチベーションにもつながっていくでしょう。
まとめ
読書を習慣にするためには、まずは「本を読むこと」への心理的なハードルを下げることが大切です。1日1ページでも、目次を読むだけでも、それは立派な読書です。
生活のすぐ手の届く場所に本を置き、紙や電子書籍、オーディオブックなどのツールを柔軟に使い分けながら、「今の自分が一番心地よいと感じる読み方」を探してみてください。
本は、いつでもあなたの好きなタイミングで、新しい世界への扉を開いて待ってくれています。焦らず自分のペースで、本との穏やかで豊かな時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。